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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

「満人」軍警による対日人暴行事件

「満人」は、ただ虐げられるばかりの存在ではなかった。「満人」軍警による対日人暴行事件が発生している。以下は、その一例である。「満人」軍警は武力を有しているから、ふつうの「満人」とは違い、一般の日本人に不平不満をぶつける力があり、気持ちでも…

三江省鶴岡炭鉱苦力強制募集

三江省鶴岡炭鉱ニ於テハ十一月以降二回ニ亘リ苦力募集ノタメ職員ヲ洮南県城ニ派遣シ募集ヲ開始シタルモ目的ヲ達セサリシ為満警ノ協力ヲ得強制募集ノ結果■定人員二百名中百四十名ヲ得■■内十五名ハ同行ヲ拒ミ迯走 (吉林省檔案館, 廣西師範大學出版社編『日本…

「満人なんか…」

満洲も暮しよいです 満人なんか内地人にはびく\/して居ます そこをつけ込んで私達なんかも満人を屁とも思つて居りません嫌な奴と思つたら頭から怒鳴つてやります とても面白いです 買物などでも無茶苦茶に値切つて買つて来ます 値切れば幾らでも値切れるよ…

新聞雑誌にみる台湾征服戦争

先のエントリでは、時事新報において、「台湾戦争」、「恰も兵力を以て征服したるに異ならず」と認識されていたことをみた。以下の記事は、時期的により早いものであり、いまだ征服戦争の実績が上がっていない時期のものである。 ■「台湾を喰詰者の巣窟と為…

時事新報における台湾征服戦争認識

「戦死者の大祭典を挙行す可し」『時事新報』1895.11.4 九月二十九日までの報告に拠れば、日清役並に台湾戦争に於て我軍人の戦死せし者八百五十一人、傷死二百三十三人、病死五千三百八十五人、合計六千四百六十九人して、其後の死者も少なからざることなら…

台湾とフィリピンの比較―「日台戦争」と「米比戦争」

■岡本公一「比較植民地主義試論」『歴史学研究』867、2010.6 アジアに現れた植民地帝国として、日本とアメリカは共通点を有する。日本は1895年に台湾を、アメリカは1898年にフィリピンを版図に組み入れた。それぞれ日清戦争後、米西戦争後、条約により戦勝国…

円満な韓国併合像と併合反対運動

■森田芳夫『国史と朝鮮』(緑旗連盟、1939年)緑旗連盟は、1933年に京城で結成された社会教化団体である。森田は、京城帝大の朝鮮史学科出身であった。本書の肩書きには、「緑旗日本文化研究所員」とある。 本書は「今日の朝鮮問題講座」シリーズの第6巻に当…

台湾議会設置請願運動

田中宏の論文を読んで、植民地台湾について持っていた、特に朝鮮と対比しての漠然としたイメージが崩れた。 田中によると、朝鮮における参政権要求運動では、基本的に本国議会への参加を求めたのに対し、台湾の運動においては、台湾議会の設置を要求しつづけ…

忘却の台湾

dj19さん引用のあわせて読みたいと あわせて読みたい。 ■松田京子「戦争報道の中の台湾―台湾領有戦争の語りと記憶をめぐって―」『南山大学日本文化学科論集』6、2006.3 領土の「合法的」割譲と、その地で徹底した暴力が行使されたこととは矛盾するものではな…

台湾植民地戦争とは何か

荒川章二氏は、1995年の時点で次のように述べていた。 今からちょうど一〇〇年前、一八九五(明治二八)年四月十七日の下関講和条約調印で、日清戦争は公式に終結した。そして現代の我々日本人は、それをもって、以後日露戦争まで、日本軍の対外的武力行使が…

「日台戦争」と呼ぶのは誤りか

檜山幸夫氏は日清戦争および植民地期台湾を専門としているが、 その著書『日清戦争 秘蔵写真が明かす真実』(講談社、1997)では、 第六章「台湾統治と台湾戦線」の第三節を「日台戦争」と題している。 同節251頁では、次のように述べる。 清軍兵士と異なり…

朝鮮統治の政治的意義・経済的意義の高下

■朝鮮銀行調査課『朝鮮景気の根底と其の持続性』(1936.9) 日韓併合当時に於ける当局の企図中には経済的観点よりは輸出市場としての若干の意味と農業移民、知識階級のはけ口に止り、政治的軍事的意味に比して特に重大なるものを認めて居なかつたやうである…

「併合ノ趣旨ニ悖リ殖民地トシテノ計画ヲ樹立」

小熊英二著「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで(163頁)によれば、 「併合」は欧米の植民地支配とは違う、という言説は、『万朝報』社説などでなされたようである。 コスト論からの併合反対論や経費節減論も存在したが、…

「同化主義でなくてはならぬ」

■佐伯有義『韓国併合の旨趣』1910.10 考証学者で、宮内省掌典の佐伯有義は、 朝鮮経営の方針は、「同化主義」で「世論が一定」していると述べる。 さて朝鮮今後の経営は如何にすべきか。政治、法律、教育、農工業、其の他各種の方面より改良し進歩発展を図ら…

「経済上の自主権」

■社論「殖民地貿易」『中外商業新報』1912.11.15 社説子はまず、植民地の領有によって、 日本においても「経済上の自主権」の確保が可能になったとする。 蝦夷と謂ふ内国殖民地を有するの外、弾丸黒子の殖民地すら有せざりし旧時の小日本に於ては此事(引用…

植民地の価値

「朝鮮支配美化論」は、日本の「義侠的行為」を強調するところに特徴がある。 しかし、植民地を有したことの意味は、「義侠的」で説明できるものなのだろうか。 拓殖局第二部長・江木翼は、「植民地の価値」に関して、 1.植民地放資 2.内地向生産物 3.内地品…

植民地とはいかなる形式か

国際法学者・有賀長雄は、韓国併合の直前、 「合邦」の形式を三種に分類し考察している。 (有賀長雄「合邦の形式如何」『政友』120号、1910年7月) 合邦の方法には対等と不平等の二あり。対等にて合法〔合邦カ〕すとは国際法に所謂実体合一なるが、此の如き…