日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

米国から見た日本の国籍法改正(Jun 12,1916)

The New York Times Jun 12,1916 An Imperial Ordinance Which Will Cure Their Dual Nationality(PDF) 合衆国領内で生まれた日本人は、アメリカ市民であることが、憲法によって保証されているが、日本の議会を通過した国籍法の改正が裁可されるやいなや、彼…

Dual Citizenship(Oct 9,1941)

The Milwaukee Journal Oct 9,1941 Dual Citizenship 二重国籍問題が再び俎上に上っている。第一次大戦中にも深刻化したが、現在、それ以上の深刻化が懸念される。 多くの日系、イタリア系、ドイツ系のアメリカ人はまだ母国によって各々の国民とみなされてい…

国籍法改正に関して(韓国)

KOREA JOONGANG DAILY Nov 13,2009 On changing citizenship laws(魚拓) 韓国法務部は、国籍法を改正し二重国籍の許容範囲の拡大を提言する予定だと発表した。提言の趣旨は、単一国籍政策の制限を緩めることにある。 国外で勤務あるいは研究に従事している…

国外居住者、徴兵回避のため帰省延期(スーダン)

arabnews.com Nov 23, 2010 Sudanese expats skip vacations home to‘escape conscription’(魚拓) 国家を南北分離するか否かに関する国民投票が、来年はじめに予定されている。ジッダにおけるスーダン領事館筋は、政府がすでに強制的徴兵を布告したという…

男子徴兵は合憲(韓国)

koreatimes.co.kr Nov 25,2010 Conscription of men constitutional 男女同権の点から女性もまた男性と同じように徴兵されるべきか。韓国の憲法裁判所は、ノーとの判断を下した。 18歳以上の健康な男子のみに二年間の兵役を命じる韓国の法律は、憲法における…

ドイツ徴兵制停止の行方

ドイツ徴兵制停止の行方に関して、ガーディアンの次の記事は、とても冷やかにみている。 guardian.co.uk Guardian Weekly Letters, 10 December 2010 ドイツは、来夏までに徴集を廃止する。憲法に規定があるため徴兵制自体は廃止できない。改革達成までの道…

セルビア、軍の現代化で徴兵制停止へ

以下は、前記事より、詳しく報道している。 ISA INTEL Dec 1, 2010 Serbia Set to End Conscription as it Modernizes Its Military 徴兵制停止の決定は、次期議会で承認される見込み。 そうすれば来年一月より、兵務は志願制となる。 二世紀に亘る伝統的な…

セルビア国防相、徴兵制廃止を推進

winnipegfreepress.com 2010.12.2 Serbian defence minister urges lawmakers to abolish draft as part of military reform セルビアのDragan Sutanovac国防相が徴兵制廃止を推進。 現政権は、民主党、G17プラスを中心とする親EU派連立政権(国防相は、民主…

屍山血海的南京 敵在南京之空然暴行(續)

前エントリの続き。 新中華報 421 1938.3.1 屍山血海的南京 敵在南京之空然暴行(續) 嗣經國際救濟委員会竭力交渉結果、敵兵明目張胆之獣行略見減少。但其毀絶人性之殘暴程度、并未降低、於是不分晝夜、紛紛擧牆而入収容所、毎見婦女、不暇佔地、即強行姦淫…

屍山血海的南京 敵在南京之空然暴行

当時延安で発行されていた陝甘寧辺区政府機関紙『新中華報』についてはこれまで、第443期(1938.6.30)の「日本侵略者一年来の暴行」という記事が南京事件に関する最初の言及とみられてきたが、第420期(1938.2.25)に、事件を報じる記事が掲載されているの…

新聞雑誌にみる台湾征服戦争

先のエントリでは、時事新報において、「台湾戦争」、「恰も兵力を以て征服したるに異ならず」と認識されていたことをみた。以下の記事は、時期的により早いものであり、いまだ征服戦争の実績が上がっていない時期のものである。 ■「台湾を喰詰者の巣窟と為…

時事新報における台湾征服戦争認識

「戦死者の大祭典を挙行す可し」『時事新報』1895.11.4 九月二十九日までの報告に拠れば、日清役並に台湾戦争に於て我軍人の戦死せし者八百五十一人、傷死二百三十三人、病死五千三百八十五人、合計六千四百六十九人して、其後の死者も少なからざることなら…

台湾とフィリピンの比較―「日台戦争」と「米比戦争」

■岡本公一「比較植民地主義試論」『歴史学研究』867、2010.6 アジアに現れた植民地帝国として、日本とアメリカは共通点を有する。日本は1895年に台湾を、アメリカは1898年にフィリピンを版図に組み入れた。それぞれ日清戦争後、米西戦争後、条約により戦勝国…

円満な韓国併合像と併合反対運動

■森田芳夫『国史と朝鮮』(緑旗連盟、1939年)緑旗連盟は、1933年に京城で結成された社会教化団体である。森田は、京城帝大の朝鮮史学科出身であった。本書の肩書きには、「緑旗日本文化研究所員」とある。 本書は「今日の朝鮮問題講座」シリーズの第6巻に当…

『いのちの戦場―アルジェリア1959』

アルジェリア民族解放戦線(FLN)がゲリラ戦を続けるアルジェリアの最前線へ、フランス軍の若い理想主義的な士官が赴任するが…というシンプルなストーリー。説明的な台詞は少なく、示唆的で興味深いシーンが続く。 頼りない士官と経験豊富な下士官の関係…

第2次大戦中の米軍女性パイロット初表彰

AFPBB News 2010年03月11日「米議会、第2次大戦中の米軍女性パイロットを初表彰」 【3月11日 AFP】10日、第2次世界大戦終結から60年を経て、当時米空軍にパイロットとして従軍した女性たちが初めて、米議会で表彰された。 彼女たちが従軍した部隊の名称は、…

おぼえておきたい史料読解のコツ 3

今回の史料 川村参軍より達相成此旨相達 本営より 明10.9.5 ref:C09082101000 ポイント1 別紙 本文に続いて、別紙を添付するというのは、よくあるパターンです。 「別」の字が特徴的なので識別しやすいと思います。 ポイント2 合字 今回出てくるのは 「より…

2005年自民党新憲法草案策定過程と「国防の義務」

2005年自民党新憲法草案策定過程における「国防の義務」の議論に関して、新聞記事で追ってみた*1。 2003.12.17 16日、自民党憲法調査会は、総選挙後初の総会を開いた。05年に憲法草案策定を公約に掲げていたことを受けて、プロジェクトチームが要綱をまとめ…

おぼえておきたい史料読解のコツ 2

今回の史料人夫使用願の件 明27.8.5ref:C06031003000 第1、2画像を開いて下さい。 ポイント1 高級副官文書の発信元ととして陸軍大臣や次官とともによくでてきます。陸軍省副官は大臣官房に属し、大臣・次官の命を承けて公文書の浄写や注記、接受、発送の事務…

おぼえておきたい史料読解のコツ 1

はじめに アジア歴史資料センターの史料を各自参照することを前提としています。 (アジ歴の使い方については、以前書いたもの参照) 今回の史料米国駐在海軍大尉秋山真之同國北大西洋艦隊乗組ニ関シ諸般ノ便宜ヲ受ケタル謝辞其筋ヘ伝達之件 明32.9ref:B0709…

台湾戦線と正貨支出

前回のエントリでは、明27.6以降の準備正貨減少についてみた。正貨減少は、財務当局に危機意識を生じさせた。 明27.11.15、日銀総裁は蔵相宛て、外征の進展に伴う戦線の拡大は、多くの正貨支出を伴うとして、正貨の節減を図るため、「軍事手形」の使用を蔵相…

明治二十七八年戦役と正貨準備

会計学者の佐野善作は、兌換券発行を正貨準備額と同額に止めるなら、兌換券発行の効用は大きく縮減する。よって兌換券は正貨準備額より遙かに巨額の発行がなされると述べる。 兌換券の主なる効用は第二節に述へしか如く正貨の用を省き信用を促進し弾力性に富…

明治二十七八年戦役と臨時軍事費

明27法律第24号 臨時軍事費特別会計法 ・清および朝鮮との交渉事件に関する臨時軍事費は、一般会計と区別して処理する。 ・臨時軍事費の歳入歳出は、明27.6.1より事件終局までをもって会計年度とする。 明29法律第10号 臨時軍事費特別会計ニ関スル件 ・臨時…

日本陸軍便覧における糧食

関連:http://d.hatena.ne.jp/higeta/20100127/p1 日本陸軍便覧―米陸軍省テクニカル・マニュアル:1944作者: 岩堂憲人,熊谷直,斎木伸生,米陸軍省,菅原完出版社/メーカー: 光人社発売日: 1998/04メディア: 単行本 クリック: 27回この商品を含むブログ (4件) を…

ゴボウを食べる習慣は知られていなかったのか

関連:http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100122/p1 アメリカでは日本人がゴボウを食べる習慣があることは知られていなかったのかという問題。 米軍はキスカ島において、撤退した日本の守備隊が残していった糧食を見つけたが、そのなかにはゴボウも含まれてい…

弁当給与ミッション

おとなり日記 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100122 昭14.4、関東軍からの帰還部隊が朝鮮北部を通過し、羅津の港から内地に向った。その際、朝鮮軍に与えられたミッションは、兵員を無事に羅津の港から送り出すことであった。朝鮮軍司令官は、第19師団司令…

入営当初初年兵内務教育計画表

■第五中隊『入営当初初年兵内務教育計画表』 どの第五中隊かは不明。 年代についても不明であるが、1/10(水)〜2/21(水)の計画を記している。 内容から大正期と思われるが、もしそうなら、曜日上、大正元年、6年、12年の何れかになる。 入営後、最初の4日…

松下芳男著作目録

タイトル 所収・出版社 発行 1. 軍隊教育学之神髄 兵事雑誌社 1920 2. 剣執る身にペン執りて : 兵営秘話 忠誠堂 1921 3. 資本主義と戦争 文化学会出版部 1925 4. 無産階級と国際戦 科学思想普及会 1925 5. 国防と軍備 : 我国資本主義政策の一批判 日本労働総…

西南戦争と白兵戦

関連 http://d.hatena.ne.jp/higeta/20090921/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090918/p2 軍学校の受験に関して調べていると、主に中学生を対象としていたと思われる『学生』という受験雑誌に、陸軍大将・浅田信興が、西南戦争の回想を寄稿しているのをみ…

抜刀隊と史料

「百人斬り」との関連で西南戦争時の抜刀隊をとりあげるという Apemanさんの着想が興味深い*1。 『郵便報知新聞』1877年3月12日付社説「賊之兵略常在二接戦一」には、次のようにある。 腰間三尺ノ秋水ヲ提テ狂呼スル于今幾年ゾ其凝塊セル精神ハ初メテ今日ニ…

台湾議会設置請願運動

田中宏の論文を読んで、植民地台湾について持っていた、特に朝鮮と対比しての漠然としたイメージが崩れた。 田中によると、朝鮮における参政権要求運動では、基本的に本国議会への参加を求めたのに対し、台湾の運動においては、台湾議会の設置を要求しつづけ…

憲兵条例改正一覧

年月日 号 全 備考 明14.3.11 太政官達第11号 全54条 憲兵条例の制定 〃22.3.28 勅令第43号 全41条 全面改正*1 〃28.7.3 勅令第95号 全38条 全面改正 〃29.5.25 勅令第231号 全27条 全面改正 〃30.9.22 勅令第332号 全28条 全面改正 〃31.11.29 勅令第337号 …

ノモンハン事件責任者の処分

ノモンハン事件責任者(軍上層部)の処分に関して、 陸相・畑俊六は、日記に次のように記している(続・現代史資料4『畑俊六日誌』みすず書房、1983)。 昭14.9.8 ノモンハンに於ける第六軍の戦績は頗不良にして、23Dは支離滅裂となり軍旗二旒を焼却し、死…

戦争の定義

国際政治学者の奥村房夫*1は、代表的な戦史家の戦争の定義に関して、以下のものを挙げている。 (奥村房夫『「戦争」の論理』学陽書房、1986、16-17頁) (1) クラウゼヴィッツ(『戦争について』) 「戦争とは一種の強力行為であり、その旨とするところは相…

忘却の台湾

dj19さん引用のあわせて読みたいと あわせて読みたい。 ■松田京子「戦争報道の中の台湾―台湾領有戦争の語りと記憶をめぐって―」『南山大学日本文化学科論集』6、2006.3 領土の「合法的」割譲と、その地で徹底した暴力が行使されたこととは矛盾するものではな…

南京事件へのアプローチ

ココのコメント欄等をみて、思ったこと。 南京事件へのアプローチを分類してみる。 a. 歴史学者が自分の専門分野として研究する。b. 歴史学者が他の歴史学者の研究によって、事件を認識する。c. アマチュアが歴史学者の研究を踏まえつつ、自ら研究を進める。…

「日中戦争」という呼称

多くの研究者は、当時呼ばれていた「支那事変」ではなく、「日中戦争」と呼称する*1。「支那」に替わり「中国」という呼び名が一般的になったことが一つの原因であるが、では「事変」ではなく「戦争」と呼ぶのはなぜだろうか。 1960年代の代表的な研究である…

国家社会主義メモ

http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090608/p1#cに関連して、補足&メモ。 ■木下好太郎『ヒットラーと獨逸ファシズム運動』内外社、1932 現代ドイツに於ける急激なる国家社会主義の擡頭に就いては、資本主義世界の示顕する現代の未曾有の不況と、その一環をなす…

南京事件否定論者が歴史学者による入門書・研究を読まなくていいと考える論理を忖度する

Apemanさんのところの最近の経緯、南京事件を否定してしまうのは入門知識すら身につけてない証 - 模型とキャラ弁の日記や過去に見聞した議論に基づくが、多分に推測を加味し、整合したものも含まれる。否定論者のなかでは、明確に意識されておらず、複数の論…

植民地台湾

<植民地台湾> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 1. 黄昭堂 台湾民主国の研究 東京大学出版会 1970 2. 山辺健太郎 解説 現代史資料21 台湾(一) 1971 3. 山辺健太郎 解説 現代史資料22 台湾(二) 1971 4. 大江志乃夫 植民地領有と軍部 歴史学研究46…

台湾植民地戦争とは何か

荒川章二氏は、1995年の時点で次のように述べていた。 今からちょうど一〇〇年前、一八九五(明治二八)年四月十七日の下関講和条約調印で、日清戦争は公式に終結した。そして現代の我々日本人は、それをもって、以後日露戦争まで、日本軍の対外的武力行使が…

「日台戦争」と呼ぶのは誤りか

檜山幸夫氏は日清戦争および植民地期台湾を専門としているが、 その著書『日清戦争 秘蔵写真が明かす真実』(講談社、1997)では、 第六章「台湾統治と台湾戦線」の第三節を「日台戦争」と題している。 同節251頁では、次のように述べる。 清軍兵士と異なり…

日露戦争

<日露戦争> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 日本国際政治学会 日清・日露戦争 国際政治19 1962.4 橋川文三 日清・日露の戦役 筑摩書房 1970 信夫清三郎・中山治一 日露戦争史の研究 河出書房新社 1972 大山梓 日露戦争の軍政史録 芙蓉書房 1973 大…

日清戦争

<日清戦争> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 日本国際政治学会 日清・日露戦争 国際政治19 1962.4 中塚明 日清戦争の研究 青木書店 1968 橋川文三 日清・日露の戦役 筑摩書房 1970 藤村道生 日清戦争 : 東アジア近代史の転換点 岩波新書・青版880 1…

徴兵制導入

<徴兵制導入> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 鹿野政直 日本軍隊の成立 歴史評論 46 1953.6 藤原彰 日本軍国主義の戦略思想 思想 365 1954.11 大石愼三郎 徴兵制と家 歴史学研究 194 1956.4 北崎豊二 明治一六年の徴兵令改正と民衆の動向 ヒストリ…

幕末〜明治初期

<幕末〜明治初期> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 篠原宏 陸軍創設史 リブロポート 1983 熊沢徹 幕末の軍制改革と兵賦徴発 歴史評論 499 1991.11 熊沢徹 幕末維新期の軍事と徴兵 歴史学研究 651 1993.10 山田千秋 日本軍制の起源とドイツ 原書房 1…

軍隊の国民的基盤

<軍隊の国民的基盤> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 飯塚浩二 日本の軍隊 東大協同組合出版部 1950 吉田裕 日本の軍隊 岩波講座 日本歴史17 1994 加藤陽子 徴兵制と近代日本 吉川弘文館 1996 原田敬一 国民軍の神話 吉川弘文館 2001 荒川章二 軍隊…

天皇の軍隊

<天皇の軍隊> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 藤原彰 国民の軍隊か、天皇の軍隊か 近代日本の争点・中 1967 大谷敬二郎 天皇の軍隊 図書出版社 1972 大谷敬二郎 皇軍の崩壊 図書出版社 1975 井上清 新版日本の軍国主義I〜IV 現代評論社 1975〜77 …

近代日本軍事史関係文献

天皇の軍隊 軍隊の国民的基盤 男性史 社会学 植民地台湾 幕末〜明治初期 戊辰戦争 徴兵制導入 西南戦争 日清戦争 義和団事変 日露戦争 第一次大戦 シベリア戦争 〈未完〉※追記 09/4/28 各項目ごとにエントリを分けました。

白リンの野外被曝濃度

探していた、白リンの野外被曝濃度に言及したBerkowitzほかの研究を、 http://www.ntis.gov/ で入手した。 タイトルは、OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HAZARDS ASSOCIATED WITH THE FORMULATION AND USE OF WHITE PHOSPHORUS-FELT AND RED PHOSPHORUS-BUTY…