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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

先行研究の探し方


先行研究を探すこと、読むことから研究の第一歩が始まります。
端的に言えば、研究とは先行研究を踏まえ、何か新しいことを付け足すことです。
東郷雄二氏は、次のように言います。

文科系の学問の場合、好むと好まざるとにかかわらず、われわれの行う研究は、過去の膨大な言説を踏まえて、テクスト相互関係の網の目のなかで、何かを付け加えるという作業にならざるを得ないのである。このテクスト相互関係の網の目をしっかり把握し、しかもそのなかで溺れてしまわない者だけが、意味のある言説を生み出すことができる。
(東郷雄二『東郷式文科系必修研究生活術』夏目書房、2000年、79頁)


先に紹介した『日本史研究』、『歴史学研究』、『史学雑誌』には、
この「テクスト相互関係の網の目」における位置付けが明確かつ濃密な論文だけが、
厳しい審査の上に掲載されています。
そのため研究誌のなかで高い地位を誇っています。


完璧な論文というものは、まずありません。
同じ問題を対象としている論文をつき合わせるなどして考えていくと、
細かい誤りや疑問点がみつかります。そこが研究の出発になります。


論文で史料を引用する際、
史料全文の主旨を崩さないように引用するのがルールですが、
全文を引用することができませんので、
引用されていない部分を元の史料にあたって確かめてみると、
史料から受ける印象が変わったり、新たな発見があったりします。


もちろん、多くの研究蓄積がある問題の場合、
先行研究の成果に納得することもあります。
批判的に読むのは当然ですが、無理矢理に批判しようとすると失敗することになります。
先行研究に依拠して問題を把握しておくのは、自然なことです。


【論文の検索】


キーワード検索できる国会図書館雑誌記事索引については、
すでに紹介しました。1948年以降の論文が検索できます。


キーワードには引っかかってこない論文等を地道に探すには、
以下の方法があります。


・『史学雑誌』毎年5月号 の「回顧と展望」
 →前年の研究動向をまとめており、大まかな分野ごとに内容を確認しながら探すことができます。


・『展望日本歴史』各巻(東京堂出版)
 →1960年代以後の「研究史上重要な必読論文」と解説を収録しています。


・鳥海靖ほか編『日本近現代史研究辞典』(東京堂出版、1999)
 →代表的研究や今後の課題をコンパクトにまとめています。


歴史学研究会歴史学における方法的転回』(青木書店、2002)
 →1980〜2000年の研究動向を位置付け、その方向性を示しています。


以上の方法などにより研究に該当する論文を一本みつけることができたら、
その論文の注から、さらに芋蔓式に情報を得ることができるでしょう。


【史料となる雑誌記事の検索】


次に史料としての雑誌記事の検索ですが、
明治初期については、渡辺正雄編『改定 明治前期学術雑誌論文記事総覧』、
明治中期以降は、『大宅壮一文庫 雑誌記事索引総目録』が使えます。