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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

歴史学批判

ひろたまさき「パンドラの箱―民衆思想史研究の課題」酒井直樹編『ナショナル・ヒストリーを学び捨てる』東京大学出版会、2006年より。

問題は、認識論的な不可知論をもって歴史学の存在を否定する傾向や、歴史修正主義に顕著な主観主義の傾向であり、もっと深刻なのは、歴史学の全体像追求の姿勢そのものを否定する主張である。

不可知論は歴史学だけでなく学問の存在そのものを否定するものであり、歴史修正主義は、認識はナショナリズムに従属すべきだとする政治主義によってはじめから学問の正当性を問わないものであるが、全体史または全体像の追求を無意味あるいは弊害とする議論は、マルクス主義に対する批判の延長線上にある議論でもあり、そこには研究者間の分断とともに研究者がどのような位置にあるかという問いかけもあると言うべきだろう。
(36頁)


不可知論をもって歴史学を否定する者は、自分が描く歴史像については非常に確信的であり、
主観主義的な歴史修正主義に与する者は、自分が中立であることを必ずアピールしていると思う。