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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

昭11.11.27 社説「日独協定成立」

日中戦争期


■社説「日独協定成立」『北海タイムス』昭11.11.27

日独防共協定は、こゝに成立した。ソ連の飽なき世界赤化の脅威を受くること最も甚だしき日本とドイツとが、相協力して赤化防止の手段に出るは、極めて自然の成行である。

ヨーロツパにあつては、フランスを盟主とする国際連盟の国家群がドイツに対し、峻険なる膺懲の手を緩めず、ドイツをして再び起つ能はざらしめむとして、苛酷極まる手段を選び、フランスの如き、これがためには人類共同の敵たる共産主義をも認むるが如き態度に出で、ソ連と握手して、ドイツ膺懲の目的を達せむとしてゐるのである。

わが国はもとより仏独何れにも恩怨はないが、赤化防止といふ共同の大目的を達するためには、この際ドイツと結び、世界を赤化の脅威から救はなければならない。これが期せずして、日独相提携する結果を招来するに至つたのであつて、その他には何等の意味をも含んでゐないのは勿論である。若し他に何等かの意味を有すとなすが如きは、わが国の真意を解せざるものといつてよい。

特にわが国としては、支那が依然として欧米依存の態度を持し、ソ連の赤化工作に対しても、ただ表面を糊塗するに止まり、防共の実があがつてゐないのみならず、寧ろ連露容共の疑ひがあり、ために赤色の魔手は到るところにのび、新疆、外蒙の如き完全にその手中に帰して居り、東洋における赤禍は、意外に深く且つ広範囲に浸み亘つてゐる。今にして防共の完全なる手段をめぐらすにあらざれば、戦慄すべき結果に到るもはかり難い状況にある。東亜の中心勢力たるわが国は、是非ともこの際ヨーロツパの防共工作と相呼応して、東洋から赤化の魔手を駆逐しなければならない。