読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

陸軍省新聞班「米国国務長官ノ演説及反響」昭7.9.6

満州事変期

8月8日、ニューヨークにおける演説。

ニ.不戦条約ハ其成立ト共ニ人類思想ニ一大革命ヲ起サシメ戦争ヲ以テ不法ナリトナスニ至ラシメタリ而モ其根底ハ戦争防止ノ為ニ何等力ノ手段ヲ執ルニ非サレハ文明ノ前途危シトノ動機ヨリ来レルモノナリ

三.不戦条約ニ対スル唯一ノ例外ハ自衛権ナルモ右ハ明白ナル事項ナルヲ以テ該条約中ニ規定セサリシモノナル力或国力帝国主義的政策ヲ実行スル為ニ自衛権ヲ仮想スルコトアリトスルモ通信機関ノ進歩セル今日ニ於テハ斯ル仮想ハ決シテ輿論ヲ欺ク能ハス

一九三二年一月七日日本カ満洲全部ヲ占領スルニ及ヒ米国政府ハ日支両国ニ対シ公式ニ本条約ニ背反スル手段ニ依リテ獲得セラルヽコトアル可キ事態、条約又ハ協定ヲ承認スルコトヲ得スト論告ス連盟総会ハ三月十一日日本ヲ除ク全会一致ノ投票ヲ以テ連盟規約又ハ巴里条約ニ反シテ得ラルヽコトアルヘキ条約協定等ヲ承認セサル旨決議セリ
世界思想ノ変革ナク又右両条約ノ存セサリシ時代ノ国際観念ノ下ニ於テナラハ遠隔ナル満洲ニ於ケル事件ノ如キハ米国並ニ他ノ五十余国ニ取リテ大ナル関心事ニ非サリシモ不戦条約ノ厳存スル今日ニ於テハ斯クノ如キ紛争ハ凡テノ条約国ノ関心事タルヲ免レス

(「満州事変ニ関スル外字新聞論評」第三十六号、アジア歴史資料センターref:A03023836200)