おぼえておきたい史料読解のコツ 2
人夫使用願の件 明27.8.5
ref:C06031003000
第1、2画像を開いて下さい。
文書の発信元ととして陸軍大臣や次官とともによくでてきます。陸軍省副官は大臣官房に属し、大臣・次官の命を承けて公文書の浄写や注記、接受、発送の事務などに当たります。高級副官は、副官部の事務を監督します。
明26陸達第98号「陸軍省処務細則」第3条には次のようにあります(ref:C06081809400)。
尋常定例ノ省務ニ就キ陸軍全部若クハ一部又ハ他向ニ対スル通牒ハ次官ノ名ヲ以テシ其軽易ノ事件ハ高級副官ノ名ヲ以テスルコトヲ得
読めない場合、ひとつの文書だけで勝負しないことです。例えばある機関からの照会へ回答をしている文書であったら、近いページにその元となる照会の史料が綴られているはずですから、それを見てみるとヒントが得られます。
何処何処へあるいは誰々への「へ」は、カナで書かれることもありますが、と書かれることも多いです。
「〜であるけれども」という意味で使われます。「得」の字が見つけやすいと思いますので、「得」を含む三文字のかたまりがあったら、「候得共」と当たりをつけて読むのもいいでしょう。
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高級副官ヨリ佐賀県知事江申進案
坂元晋六外七名ヨリ人夫使役之儀願出ニ付往三第二六四四号ヲ以テ書面進達相成候処右出願之趣ハ奇特之儀ニ候得共目下使用之見込無之候条右之趣本人共江御示諭之上願書返却方可然御取計有之度此段申進候也 号外 八月六日
軍夫の志願があったが、却下するという内容ですね。
「往三第二六四四号」については、第3画像で確認できます。