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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

『いのちの戦場―アルジェリア1959』

映画

アルジェリア民族解放戦線(FLN)がゲリラ戦を続けるアルジェリアの最前線へ、フランス軍の若い理想主義的な士官が赴任するが…というシンプルなストーリー。説明的な台詞は少なく、示唆的で興味深いシーンが続く。

  • 頼りない士官と経験豊富な下士官の関係。
  • フランス軍とゲリラの二重支配を受ける村。
  • ゲリラの脅しを受け、ゲリラに虐殺される村人たち。
  • 民間人女性に化けて武器を運ぼうとするゲリラ。
  • 民間人かゲリラか分からず、あやまって民間人を殺害し、村を焼くフランス軍。
  • 村人の拷問を続け、次第に狂気にとりつかれていく様。
  • 捕虜が逃亡したという名目で捕虜を処刑するフランス軍。
  • 正式な戦争ではないので、ナパーム弾使用も可能であると主張し、特殊爆弾と呼び替えて使用するフランス軍。
  • ナパーム弾の炎が地上を覆う様子。地表もろとも黒こげになるゲリラ。
  • ナパーム弾の使用に嫌悪感をおぼえる兵士。
  • 過酷な前線と平穏なフランス国内のギャップ。
  • 映画館のスクリーンに映し出される、現実を全く撮していないプロパガンダ映画。
  • フランス軍のアルジェリア人兵士。


昨年言及した「日台戦争」焼夷兵器の問題との関連でも、非常に興味深く鑑賞した。
台湾における「外征従軍者」認定との関連で言えば、フランスでは、1974年、「北アフリカにおける秩序維持作戦」に参加した兵士に両大戦の従軍兵士と同等の資格を法律で認めている。その時点では「戦争」とは呼ばれなかったが、1999年になってようやく「アルジェリア戦争」と正式に呼称している*1

*1:高山直也「フランスの植民地支配を肯定する法律とその第4条第2項の廃止について」『外国の立法』229、2006.8。 http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/229/022903.pdf