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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

米国から見た日本の国籍法改正(Jun 12,1916)

The New York Times Jun 12,1916 An Imperial Ordinance Which Will Cure Their Dual Nationality(PDF)

  • 合衆国領内で生まれた日本人は、アメリカ市民であることが、憲法によって保証されているが、日本の議会を通過した国籍法の改正が裁可されるやいなや、彼らは彼らの天皇や国家あるいは両親に対する帰属を維持しなくなり得る。
  • この法整備は、日本問題の解決を補助するための日本主導の法整備とみなされる。この改正は、これまでアメリカ生まれの日本人が持ったいわゆる二重国籍に関わる錯綜を解消するであろう。今後、日系アメリカ人は、改正法の法的地位に関係しない限り、純粋に単にアメリカ市民となる。
  • 改正法の骨子は次の通り。
  1. 外国に生まれ、その国の国籍を取得し、永久に居住する意思がある者は、内務大臣の許可により、日本の国籍から離脱し得る。
  2. 15歳以下の日本人が、日本国籍の離脱を希望する場合、法的代理人によって手続きし得る。
  3. 15歳前に国籍を離脱した日本人が復帰を希望する場合、内務大臣が許可し得る。
  • 第一の条項は、言及すべき最も重要なものである。旧法のもとでは、日本国民は外国に帰化したとき、あるいは女性が外国人と結婚した場合を除いて国籍離脱できなかった。同法はアメリカほか他国において日本人の両親から生まれた者に適用された。アメリカであれば彼らはアメリカ人に、カナダであればカナダ人に、ブラジルあればブラジル人になった。と同時に日本帝国臣民でもあり、二重国籍が維持された。しかしこの二重国籍は改正法により解消されるであろう。
  • この改正は、この国における日本人が長く望んできた法整備であった。彼らは憲法が保証するアメリカ市民権の相続者である子女に、二重忠誠や選択した国への忠誠心の問題に邪魔されことなしに、確固たる法的地位を付与させる方法を捜し求めていた。彼らの努力は実ったのだ。
  • ここに、ドイツの新国籍法が想起される。それはルーズベルトが昨年八月のメトロポリタンマガジン誌で辛らつに批判したものであった。ドイツは、1913年7月、アメリカほかで帰化した者にドイツ国籍を付与する法律を採用した。ドイツ国籍を維持する手段でもあったが、そのため、彼らは二重国籍となった。もちろん日本の国籍法改正とドイツの新国籍法には違いがある。前者は、外国で生まれた者、一方、後者は帰化した者に関する規定である。しかし両者の根底にある精神の相違は明白ではないのではないだろうか。ドイツ法にある何か汎ゲルマン政策の種のようなものがわかるだろう。