日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

チェンバレン決議案の行方

しばらく、1917年ごろの米国における外国人徴兵問題について追いたい。


チェンバレン決議案は、多くの支持を得ながら、採決へと向かう。ただ、日本人など条約によって強制的な兵役賦課を禁止されていた外国人の存在が問題点として浮上していた。政府の意向はまだ、はっきりしていなかった。


Gettysburg Times Jul 18, 1917 May Draft Aliens For Army Service

  • 18日、ノースダコタのマッカンバー上院議員が、アメリカにいる適齢外国人の徴兵に関して同盟国から同意を得るための交渉に入るよう定める決議案を提出した。
  • コネチカットのブランデジー上院議員は外国人も徴兵対象に含めることを主張し、この問題はじっくり検討することもないだろうと述べたが、軍事委員会の会議後、この問題が多くの賛成を得つつ議論されていたことがわかった。


New York Times Jul 19,1917 EXPECT DRAFT TO NEW ARMY FRIDAY

  • チェンバレン決議案は、合衆国との条約で強制的兵役義務の賦課が禁止されている国の者を除外し、国務省の見解に合わせようとしている。政府の支持が得られているのかは、まだ定かではない。


New York Times Jul 22, 1917 AIR FLEET BILL PASSED BY SENATE

  • 21日、カルダー上院議員*1は、ドイツ国民あるいは条約で除外されるべき者を除く外国人を徴兵するとした、チェンバレン決議案の修正案を提出した。一千万近くが徴兵登録され、100万以上が外国人であり、アリゾナは外国人比率が40%を越えると述べた。
  • ワッズワース、ストーン、ブランデジーほかの議員も将来の召集同様、昨日の徴兵への外国人登録を主張した。ストーンは、外交委員会で条約問題に関する動きがあると述べ、チェンバレンは、政府および陸軍省が彼の決議案に関し協議していると述べた。また彼はもし可能であれば、軍事委員会で来週、採決するとした。
  • 修正案は、決議を急ぐため、最終的に撤回された。

*1:ニューヨーク出身議員。前月、すでに徴兵と人口比の問題を指摘していた。http://query.nytimes.com/mem/archive-free/pdf?res=F00D14FD385E11738DDDAA0994DE405B878DF1D3