日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

2008-01-05から1日間の記事一覧

南京事件犠牲者総数の決定は立証目的ではなかった

笠原十九司『南京事件論争史』74-75頁において、 参考にされているのは、以下の記述である。 ■戸谷由麻「東京裁判における戦争犯罪訴追と判決」笠原十九司・吉田裕編『現代歴史学と南京事件』柏書房、2006 現代歴史学と南京事件作者: 笠原十九司,吉田裕出版…

その時々の南京事件否定説が必要

ふたたび、笠原十九司『南京事件論争史』より。 文部省の歴史教科書検定で南京事件の記述をさせまいとする姿勢は、現在にいたるも一貫しており、そのためには南京事件の事実は定説になっていないことを印象づけるために、その時々に否定説を書いた「歴史書」…