日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

黄燐の吸入毒性に関するNRC報告書

「黄燐に限らずどんな煙も吸いすぎたら危険に決まっているのだから、黄燐だけを問題にするのはおかしい」というのは、いささか乱暴な議論であろう。物質の性質の違いによって、人体に与える影響も当然違ってくるのではないだろうか。そこで黄燐による影響は…

黄燐にはどのような毒性があるか

黄燐の毒性は、古くから知られており、 黄燐による害について記した文献は、枚挙に暇がない。 その害は、以下の六つに分類できる。 摂取による害 酷い火傷 火傷に止まらない毒性 短期間の吸入による害 長期間の吸入による害 環境への害 以下では、戦前日本の…

どの目標に対して榴弾と黄燐を組み合わせるか

タコつぼに隠れている兵士に対して、榴弾と黄燐を用いる “シェイクアンドベイク”作戦については、すでにみたところである。 しかし、榴弾と黄燐が用いられるのは、、タコつぼの兵士に対してだけでなかった。 米陸軍野外教範 FM 23-91 MORTAR GUNNERY(1991)…

米軍の戦時国際法上における黄燐認識

米陸軍法務官が、Field Artillery誌上に 戦時国際法および火器支援の入門向け解説を書いている。 Captain Jon D. Holdaway The Law of War and Fire Support:A Primer for Fire Supporters Field Artillery May-June 2001 http://sill-www.army.mil/famag/20…

朝鮮戦争と黄燐

以下は、米陸軍重迫撃砲隊の前進観測員として朝鮮戦争に従軍したRonald Eugene Rosserのインタビュー(2004.7.29)である。http://www.koreanwar-educator.org/memoirs/rosser_ronald/index.htm 迫撃砲は、支援火器に位置づけられる。 支援火器とは、歩兵部…

Phosphorous Smoke

米陸軍の野外教範(Field Manual) Smoke Operations (1990)は、 Phosphorous Smoke 燐煙について次のように述べている(拙訳を付した)。http://www.globalsecurity.org/military/library/policy/army/fm/3-50/toc.htm http://www.globalsecurity.org/mil…