日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

南京事件否定論者が歴史学者による入門書・研究を読まなくていいと考える論理を忖度する

Apemanさんのところの最近の経緯、南京事件を否定してしまうのは入門知識すら身につけてない証 - 模型とキャラ弁の日記や過去に見聞した議論に基づくが、多分に推測を加味し、整合したものも含まれる。否定論者のなかでは、明確に意識されておらず、複数の論…

植民地台湾

<植民地台湾> 著者・編者 タイトル 所収・出版社 発行 1. 黄昭堂 台湾民主国の研究 東京大学出版会 1970 2. 山辺健太郎 解説 現代史資料21 台湾(一) 1971 3. 山辺健太郎 解説 現代史資料22 台湾(二) 1971 4. 大江志乃夫 植民地領有と軍部 歴史学研究46…

台湾植民地戦争とは何か

荒川章二氏は、1995年の時点で次のように述べていた。 今からちょうど一〇〇年前、一八九五(明治二八)年四月十七日の下関講和条約調印で、日清戦争は公式に終結した。そして現代の我々日本人は、それをもって、以後日露戦争まで、日本軍の対外的武力行使が…

「日台戦争」と呼ぶのは誤りか

檜山幸夫氏は日清戦争および植民地期台湾を専門としているが、 その著書『日清戦争 秘蔵写真が明かす真実』(講談社、1997)では、 第六章「台湾統治と台湾戦線」の第三節を「日台戦争」と題している。 同節251頁では、次のように述べる。 清軍兵士と異なり…