日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

忘却の台湾

dj19さん引用のあわせて読みたいと あわせて読みたい。 ■松田京子「戦争報道の中の台湾―台湾領有戦争の語りと記憶をめぐって―」『南山大学日本文化学科論集』6、2006.3 領土の「合法的」割譲と、その地で徹底した暴力が行使されたこととは矛盾するものではな…

南京事件へのアプローチ

ココのコメント欄等をみて、思ったこと。 南京事件へのアプローチを分類してみる。 a. 歴史学者が自分の専門分野として研究する。b. 歴史学者が他の歴史学者の研究によって、事件を認識する。c. アマチュアが歴史学者の研究を踏まえつつ、自ら研究を進める。…

「日中戦争」という呼称

多くの研究者は、当時呼ばれていた「支那事変」ではなく、「日中戦争」と呼称する*1。「支那」に替わり「中国」という呼び名が一般的になったことが一つの原因であるが、では「事変」ではなく「戦争」と呼ぶのはなぜだろうか。 1960年代の代表的な研究である…

国家社会主義メモ

http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090608/p1#cに関連して、補足&メモ。 ■木下好太郎『ヒットラーと獨逸ファシズム運動』内外社、1932 現代ドイツに於ける急激なる国家社会主義の擡頭に就いては、資本主義世界の示顕する現代の未曾有の不況と、その一環をなす…