日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

新聞雑誌にみる台湾征服戦争

先のエントリでは、時事新報において、「台湾戦争」、「恰も兵力を以て征服したるに異ならず」と認識されていたことをみた。以下の記事は、時期的により早いものであり、いまだ征服戦争の実績が上がっていない時期のものである。 ■「台湾を喰詰者の巣窟と為…

時事新報における台湾征服戦争認識

「戦死者の大祭典を挙行す可し」『時事新報』1895.11.4 九月二十九日までの報告に拠れば、日清役並に台湾戦争に於て我軍人の戦死せし者八百五十一人、傷死二百三十三人、病死五千三百八十五人、合計六千四百六十九人して、其後の死者も少なからざることなら…

台湾とフィリピンの比較―「日台戦争」と「米比戦争」

■岡本公一「比較植民地主義試論」『歴史学研究』867、2010.6 アジアに現れた植民地帝国として、日本とアメリカは共通点を有する。日本は1895年に台湾を、アメリカは1898年にフィリピンを版図に組み入れた。それぞれ日清戦争後、米西戦争後、条約により戦勝国…