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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

第二次世界大戦の性格

書庫

■木畑洋一「第二次世界大戦の構造と性格」歴史学研究会編『講座世界史8 戦争と民衆』東京大学出版会、1996

帝国主義国間の帝国主義戦争として性格を概括しうる第一次大戦に比べて、第二次世界大戦の性格は複合的であった。その複合性はしばしば次の三つの基本的性格にまとめられる。すなわち、1.ファシズム諸国(枢軸国)と反ファシズム諸国(連合国)の間の戦争=反ファシズム戦争、2.帝国主義諸国の間の戦争=帝国主義戦争、3.ファシズムや帝国主義からの民族解放のための戦争=民族解放戦争、の三つである。
(164頁)

(※機種依存文字は改めた)


このうち、最も基本的な性格は第一の反ファシズム戦争としての性格であった。


しかし、反ファシズム陣営の内実をみると、
ファシズム陣営との差はわずかであった。

帝国主義の従属地域の人びとの眼からみれば、世界再分割をめざす極端に侵略的な帝国主義であるファシズム国家であろうと、守勢的な帝国主義戦争を戦う反ファシズム国家であろうと、その間の差はわずかでしかなかった。
(171頁)


アジア解放論が一定の影響力を持ち続ける要因がこの点にある(172頁)。


両陣営とも植民地解放に抑圧的なら、
解放の原動力は、植民地の人々の主体的な営みに求められる。

ファシズム陣営の側はもとより、反ファシズム陣営の側も植民地・従属国の民族解放を推進する力とはなりえなかった。第二次世界大戦は民族解放戦争としての性格を有していたが、その原動力は、反ファシズム陣営とファシズム陣営と各地域の民族運動とが織りなす複雑な模様のなかで成長した従属地域の人びとの自立に向けての主体的な営みに求められなければならない。
(174-175頁)