2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
■朝鮮銀行調査課『朝鮮景気の根底と其の持続性』(1936.9) 日韓併合当時に於ける当局の企図中には経済的観点よりは輸出市場としての若干の意味と農業移民、知識階級のはけ口に止り、政治的軍事的意味に比して特に重大なるものを認めて居なかつたやうである…
労使協調を目的として1919年に設立された協調会の関係史料が、 オンライン公開されている。http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/kyochokai/index.html 大正から昭和初期にかけての労働団体・労働争議・無産政党の動向がつかめる。 協調会の調査は、内務省社会…
小熊英二著「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで(163頁)によれば、 「併合」は欧米の植民地支配とは違う、という言説は、『万朝報』社説などでなされたようである。 コスト論からの併合反対論や経費節減論も存在したが、…
防衛研究所図書館で既に公開されている史料の紹介や新たに公開された史料の目録が、 月一回のペースでUPされています。 http://www.nids.go.jp/military_history/military_archives/news/index.html ちなみに第94回(08年6月)は、日本軍政下マラヤの日本語…
■佐伯有義『韓国併合の旨趣』1910.10 考証学者で、宮内省掌典の佐伯有義は、 朝鮮経営の方針は、「同化主義」で「世論が一定」していると述べる。 さて朝鮮今後の経営は如何にすべきか。政治、法律、教育、農工業、其の他各種の方面より改良し進歩発展を図ら…
■社論「殖民地貿易」『中外商業新報』1912.11.15 社説子はまず、植民地の領有によって、 日本においても「経済上の自主権」の確保が可能になったとする。 蝦夷と謂ふ内国殖民地を有するの外、弾丸黒子の殖民地すら有せざりし旧時の小日本に於ては此事(引用…
■橋亭主人『兵営百話』1901.10 著者は、義和団事変に「従軍」した経験をもつ。 フランスの兵営では、下士官が妻子とともに営内に居住していることについて、 次のように述べている。 外国では男女の関係が非常に神聖にしてある、又婦人の位置が日本の如く卑…
「朝鮮支配美化論」は、日本の「義侠的行為」を強調するところに特徴がある。 しかし、植民地を有したことの意味は、「義侠的」で説明できるものなのだろうか。 拓殖局第二部長・江木翼は、「植民地の価値」に関して、 1.植民地放資 2.内地向生産物 3.内地品…
国際法学者・有賀長雄は、韓国併合の直前、 「合邦」の形式を三種に分類し考察している。 (有賀長雄「合邦の形式如何」『政友』120号、1910年7月) 合邦の方法には対等と不平等の二あり。対等にて合法〔合邦カ〕すとは国際法に所謂実体合一なるが、此の如き…
■「国難、撃敵の好機たらしめん」『週報』第403・404合併号、昭19.7.19 「サイパン島の在留邦人は終始軍に協力し、およそ戦ひ得る者は敢然戦闘に参加し概ね将兵と運命を共にせるものゝ如し。」大本営発表のこの一節に、我々は、日本人である以上、最後の瞬間…