日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

2009-01-01から1年間の記事一覧

朝鮮戦争と黄燐

以下は、米陸軍重迫撃砲隊の前進観測員として朝鮮戦争に従軍したRonald Eugene Rosserのインタビュー(2004.7.29)である。http://www.koreanwar-educator.org/memoirs/rosser_ronald/index.htm 迫撃砲は、支援火器に位置づけられる。 支援火器とは、歩兵部…

Phosphorous Smoke

米陸軍の野外教範(Field Manual) Smoke Operations (1990)は、 Phosphorous Smoke 燐煙について次のように述べている(拙訳を付した)。http://www.globalsecurity.org/military/library/policy/army/fm/3-50/toc.htm http://www.globalsecurity.org/mil…

南京事件の被害についてどのような史料に基づいて認定するか

歴史の事実をどう認定しどう教えるか―検証 731部隊・南京虐殺事件・「従軍慰安婦」作者: 笠原十九司,吉見義明,渡辺春己,松村高夫,高嶋伸欣出版社/メーカー: 教育史料出版会発売日: 1997/10メディア: ペーパーバック クリック: 19回この商品を含むブログ (2件…

外交会議第三会期(1976.4.21〜6.11)

以下は、外交会議第三会期の審議状況をまとめた国連事務総長報告書(1977)(竹本正幸・楠美智子「人道的理由で使用の禁止又は制限の対象となる焼夷兵器その他の特定通常兵器(一)」『関西大学法学論集』28-2、1978.6)による。 焼夷兵器に関する議論では、…

ルガノ会議(1976.1.28〜2.26)

以下は、1976.1.28〜2.26開催のルガノにおける第二回特定兵器専門家会議の審議状況をまとめた国連事務総長報告書(1977)(竹本正幸・楠美智子「人道的理由で使用の禁止又は制限の対象となる焼夷兵器その他の特定通常兵器(一)」『関西大学法学論集』28-2、…

特定通常兵器使用禁止制限条約の成立

以下は、櫻川明巧「特定通常兵器の法的規制」『立法と調査』109、1982.4による。 著者は、外務委員会調査室所属。 通常兵器のうち、「過度の傷害」を与え、 「無差別の効果」を有する兵器に対する関心は、1960年代末ごろから高まった。 特に、ベトナム戦争に…

焼夷兵器に関する国連事務総長報告書

■「ナパーム及びその他の焼夷兵器に関する国連事務総長の報告書(一)(二)」『関西大学法学論集』23(2)、(3)、1973年7月、9月 以下は1972年、国連第26回総会における決議2852に基づき、 国連事務総長のもとに専門家グループが作成した報告書(竹本正幸氏が翻訳…

黄燐焼夷弾について

最近、米軍による日本空襲について調べ始めたところだが、 米軍史料解読の参考のために、奥住喜重『B-29 64都市を焼く』(揺籃社、2006)を入手した。 同著によると、米軍が市街地に投下した弾種は、 I.B.類(Incendiary Bomb 焼夷弾) I.C.類(Incendiary C…