日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

昭8.2.22 社説「熱河の討伐」


■社説「熱河の討伐」『北海タイムス』昭8.2.22


連盟脱退の時が迫る一方で、
熱河情勢が紙面を賑わせていた。

熱河は今日、学良の満洲撹■根拠地である。熱河より支那軍を一掃し、長城の線に於て二三の隘路口を押へれば、支那は最早満洲に対して、一指だも加へ得ざるに至り、之によつて蒋介石その他要人の欲望を、断念せしめ得るのである。

日本は之(引用者注―熱河占有)に依つて日支■争の癌たる、学良政■を抹殺するを得べく、之に伴ひ北支に現出する政権は、従前と趣きを異にするなるべく、日支問題に一転期を画するに相違ない、故に当面の急務は、熱河より支那軍を一掃するに在る。


「熱河掃討」が張学良の没落、親日的な「北支政権」の現出につながると目論んでいる。