日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

昭11.9.11 社説「又復邦人虐殺事件の発生」


■社説「又復邦人虐殺事件の発生」『北海タイムス』昭11.9.11

我等日本国民を極度に憤激させた成都事件からまだ幾何も経過して居ない今日、又また広東省北海において、在留邦人が排日暴徒の手に虐殺された事件を出すに至つたのは、慮外千万といはなければならぬ。

先般来西南政権要人等により、公然と抗日侮日の宣伝が行はれてゐた事実に徴してみても、成都事件と同じく計画的事件だと断定して差支へなからう。

海軍よりは臨機の措置として艦艇を現地に急派して、以て事件の真相を究明するとともに、帝国の正当なる権益を保護するに万全の方策を講じてゐるこれは国防及び在外居留民の生命財産保護に当る帝国海軍として当然の措置であつて、我等国民はこれに全幅の支援を辞するものでない。

何を措いても国民政府の対日二重政策の抛棄と、排日教育の即時是正を破約させ、更に漸次支那政府当局が積極的親日政策へ移行するやう誓はすべきである。若し事件を中途半端の不徹底に了らしめるならば、支那民衆をして日本与し易しの感を抱かせ、不祥事件の防止は期し得られないであらう。


原因を排日教育に求め、
「日本与し易しの感」を避けるため、強硬であり続ける構図。