日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

昭11.9.23 社説「排日抗日の絶滅が肝要」


■社説「排日抗日の絶滅が肝要」『北海タイムス』昭11.9.23

海軍省では、対支問題の重要性に鑑み、省部連合協議を行つた結果、支那に誠意の認むべきものなく、排日抗日絶滅に関するわが要求を全面的に容認せざる以上、在支権益擁護と居留民の生命財産の保護の重任を担ふ帝国海軍としては、最早隠忍自重する場合にあらず、自ら信ずるところに基き、断乎自衛手段を講じ、支那官民の猛省を促す外なしとの結論に達し、遂に自衛権発動に決し上奏したとのことであるが、支那に誠意なき以上は当然のことであつて、問題が問題だけに、陳謝する位の程度で済まさるべき問題では無い。

支那に於ける排日抗日運動は、勿論、淵源する所はあるが、要するに卒然として起つたものではなく、如何に辞令を巧妙にするも、突詰めて見れば、官制の排日であり、抗日運動である。

この不祥なる事件(引用者注―成都事件)を機会に、転禍為福の唯一道は、支那の全面に蔓延せんとする排日抗日運動を、南京政府に対して、徹底的の取締と之が絶滅とを迫ることで、之に応ぜざれば、在支権益擁護と在留居の生命財産保護のため、最後の実力に訴へる、また止むなしとすべきである。


かなり臨界点に近いようだ。