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日本近現代史と戦争を研究する

歴史学の観点から日本近現代史と戦争について記します。

リットン調査団への国民の期待

書庫 満州事変期


戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)

戦争の日本近現代史 (講談社現代新書)


加藤陽子氏は、国際法にのっとり正しく行動してきた者が
不当の扱いを受けたとする怒りが、
戦争を行なうための強いエネルギー供給源になったとして、次のようにいう。

国民のなかに、連盟における調査と調査団の報告を、あたかも国際法の威厳が試される場として、黒白の審判が下される場として、非常に大きな期待をもって注視してゆくという感情がめばえます。しかし、リットン調査団が有能であればあるほど、先に述べたような、条約解釈上のグレーゾーンが浮かびあがってこざるをえません。実際、リットン報告書は日本の主張と中国の主張の双方を認めた内容だったのです。ところが、日本国民のなかに定着した中国に対する不信感と国際法への過剰な期待ゆえに、リットン報告書は日本への全面的な糾弾だとみなされることになりました。
(271-272頁)